セッション5報告
グローバルダイナミクスと基準座標系のための宇宙測地技術の結合


 セッション5では、複数宇宙技術の結合と統合をキーワードに、関連する研究にに ついて、口頭12題、ポスター4題の発表が行われた。

 このうち、コロケーション局の紹介と観測結果については、キーストン計画(05-01,05-10)及び南極昭和基地(05-11)に関して発表があった。 リージョナルな結合についてはアジア太平洋地域について(05-03)、グローバルなレベルではITRF系でのスケール差についての発表(05-02)があった。 また、ドイツ国内での地域的な測地系の変遷と変換についての報告(05-04)があった。 衛星軌道に関しては、GPSとGLONASS又はSLRの軌道決定・結合による比較・改善等の報告(05-05,-06)があった。 また、GPSのみであるが、IGSネットワークの結合について紹介(05-07)があった。 解析手法については、観測データレベルでの宇宙技術の結合について解析結果(05-08)が報告された。 さらに、宇宙測地観測結果の時系列に共通に見られる非永年的な変動について問題提起(05-09)が行われた。

 宇宙測地技術の結合/統合については、その重要性が近年ますます強調されている。 当セッションでも、軌道で5cm、局位置で3cm程度の技術間系統差が報告されており、解決すべき技術的・理論的課題も多い。 今回のシンポジウムでは、このテーマが抱える幅広い問題を垣間見たというのが実感であるが、様々なアプローチが紹介され興味深い内容であった。

松坂 茂


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