セッション1報告
GPS連続観測網、現在及び未来


 セッション1は10月19日に口頭発表及びポスターセッション、20日の午後にC会場で1題の口頭発表が行われた。 口頭発表2題およびポスターセッション1題がキャンセルとなった。

 GPS気象学等のGPS連続観測網の応用分野の広がり、リアルタイム観測の動向、ネットワークフィルターなどの適用など、GPS観測網の展望が招待講演[01-01]で示され、続いて、GPS観測点の位相特性の問題とそのキャリブレーションについての発表[01-03][01-04][01-13P]があり、この問題の重要性が示された。 GPS観測網のデータ解析手法に関しては、精密単独測位等に必要な時計補正を処理するBERNESEの新しいルーチンの紹介[01-06]があった。

 GPS連続観測網の応用の大きな分野として電離層及び中性大気があるが、電離層擾乱(TID)を対象とした研究[01-09]、及び電離層補正の一つの手法として周囲のGPS観測点のデータの内挿により仮想的な観測点のデータを構成する手法[01-10]が紹介された。またGPS気象学の英国での研究が紹介され[01-11]、GPSによる可降水量の評価および海洋潮汐加重変形の影響が論じられた他、準リアルタイムでの可降水量の推定、及び評価についての発表もあった[01-12]。

 内外諸機関のGPS観測網の活動についての報告がなされ[01-08][01-15P][01-16P][01-18P]、その応用の多様さが示された。

 もう一つの招待講演[01-02]は後援者の都合により翌20日にスケジューリングされた。 米国のSCIGNネットワークの経験を元に、GPS連続観測結果の時系列に見られるノイズの周波数特性から、モニュメンテーションの重要性、観測点の安定性とその限界、この ようなノイズが座標変動速度の推定に与える影響が論じられた。 また、観測点近傍の樹木による上空視界の変化等、GPS観測結果の長期的安定性にとって問題となる事項が指摘された。

畑中雄樹


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