目次 | 第3部 応用編 | SELENE計画
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1.SELENE計画 2.測地ミッション 3.月の裏側の重力観測 4.3次元計測 5.全球地形観測 6.何がわかるか

SELENE計画 − SELENE計画

 SELENE(セレーネ:SELenological and ENgineering Explorer)計画は,宇宙航空研究開発機構(JAXA)を中心に,国立天文台や各大学が参加して,2006年度にH-IIAロケットによる打ち上げを目指して開発が進められている日本で初の大型月探査計画である.SELENE計画は月を周回する主衛星とそこから切り離される2つの子衛星からなり,表に示すように,月表面の元素組成,鉱物組成,地形,表面付近の地下構造,磁気異常,重力場の観測を全域にわたって行うほか,プラズマ,電磁場,高エネルギー粒子など月周辺の環境計測も行い,最終的に月の起源と進化を解明することを目的とする.その他に,将来の月の利用のための観測やハイビジョンカメラによる月からの撮影も行う予定である.

 SELENEの主衛星(月周回衛星)は,打ち上げから約5日後に月付近に到達する.月に到達すると,高度 100kmの極周回円軌道に投入される.リレー衛星は,その途中の遠月点高度2400kmの楕円軌道に乗り,月の裏側の重力場計測のため,地上局と主衛星との間の通信を中継する.さらに,VRAD衛星が,遠月点高度800kmの楕円軌道に投入され,VLBIによる重力場計測が行われる.

表1. SELENE計画で搭載される観測機器
蛍光X線分光計X-ray Spectrometer(XRS)
γ線分光計Gamma-ray Spectrometer(GRS)
粒子線観測器Charged Particle Spectrometer(CPS)
地形カメラTerrain Camera(TC)
マルチバンドイメージャMulti-band Imager(MI)
スペクトラルプロファイラSpectral Profiler(SP)
月レーダサウンダLunar Rader Sounder(LRS)
レーザー高度計Laser Altimeter(LALT)
月磁場観測装置Lunar Magnetometer(LMAG)
プラズマ観測器Plasma Energy Angle and Composition Experiment(PACE)
プラズマイメージャUpper Atmosphere and Plasma Imager(UPI)
相対VLBI用電波源1,2Differential VLBI Radio Source 1,2(VRAD)
リレー衛星搭載/対向中継器Four Way Doppler Measurements by Relay Satellite and Main Orbiter Transponder(RSAT)
月電波科学観測Radio Science(RS)
高精度映像取得システムHigh Definition Television(HDTV)


関連Webサイト
JAXAのホームページ内「SELENE」の紹介ページ



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