目次 | 第3部 応用編 | SELENE計画
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1.SELENE計画 2.測地ミッション 3.月の裏側の重力観測 4.3次元計測 5.全球地形観測 6.何がわかるか

SELENE計画 − レーザー高度計による全球地形観測

 レーザー高度計LALT)ミッションは,高度約100kmの軌道にある衛星上から月面直下に波長1064nmのレーザーパルスを毎秒1回の頻度で発射し,月面からの反射光が戻ってくるまでの時間から衛星から月面までの距離を計測する.ミッション期間は1年以上の予定である.衛星の位置と姿勢は,地上からの追跡や,搭載しているスターセンサーでわかるので,それらの情報を組み合わせることによって月全面にわたる表面の高度データが得られる.

 レーザー高度計による月面計測は1970年代のApollo探査機や1994年のClementine探査機でも行われたが,月全面にわたる計測はSELENEのLALTミッションが初めてである.計測精度がClementineの40mから5mに改善されるばかりでなく,データ数も2桁以上増えるため,測定点(フットプリント)の分布は最もまばらな赤道域でも平均して2km2に1個程度になり,科学目的だけでなく将来の月探査のための貴重なデータを提供する.


図3. レーザー高度計の模式図.上部左が送光と受光の望遠鏡,右が光路変換ミラー,下部が制御回路.

関連Webサイト
国立天文台水沢観測所のホームページ内「LALT」の紹介ページ




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