目次 | 第3部 応用編 | SELENE計画
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1.SELENE計画 2.測地ミッション 3.月の裏側の重力観測 4.3次元計測 5.全球地形観測 6.何がわかるか

SELENE計画 − SELENE計画の中の測地ミッション

 SELENE計画では,月の表面形状と重力場を新しい手法で高精度に観測することが一つの特徴である.それに関係するのが,リレー衛星搭載中継器(RSAT),相対VLBI用電波源(VRAD),レーザー高度計LALT)の3つのミッションである.

 RSATミッションでは,主衛星が月の裏側を飛んでいる間も,リレー衛星を中継することによってその軌道を追跡し,月の裏側の重力場を直接観測する(4-wayドップラー観測次頁参照).VRADミッションでは,VLBIによって2つの子衛星の間の角距離を正確に測定し,ドップラー観測と組み合わせて軌道と重力場の3次元観測を行う.LALTミッションでは,レーザー高度計を用いて月面全面にわたって,最高精度,最高頻度で月面の絶対高度を測定する.また,これらのデータをもとに精密な月面地形図を作成する.いずれも世界で初めての試みである.

表2. SELENEのレーザー高度計(LALT)と1994年の
Clementine探査機の高度計(LIDAR)の比較
  Clementine(LIDAR) SELENE(LALT)
精度 40m 5m
測定間隔(軌道方向)
     (軌道間隔)
20km
60km
16km
2km
月面上の
 レーザービームの直径
200m 30m
測定範囲 南緯89度
〜北緯81度
南緯90度
〜北緯90度
データ数 72,548 31,500,000


図1. SELENEで観測される重力場の各次数の予想精度.LunarProspector探査機で得られた重力場モデルLP100Jより1桁以上向上する.



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