地球の物理的な形であるジオイドは,2-2-2.重力とジオイドで説明されたとおり,重力が作る等ポテンシャル面の1つである.そこで,地球表面全体での重力の分布が分かれば,ジオイドの形を決めることができ,重力分布がより細かく分かるほど,より細かなジオイドの起伏を知ることができる.このようにして面的に決定されるモデルは,重力ジオイド・モデルと呼ばれる.
一方,ジオイドはそれぞれの国の高さ‘0’の基準面にされていることが多く,水準測量によって測定される地表点の標高は,この基準面からの鉛直距離である.GPSなどの宇宙測地技術を使うと,地表点の楕円体高(位置表示の基準とする回転楕円体,つまり準拠楕円体の表面からの高さ)を測定することができる.この2種類の測定を同じ場所で行うと,準拠楕円体からジオイド面の高さであるジオイド高を,楕円体高から標高を差し引くことで測定することができる(図1).この方法をGPS/水準法と呼び,それによって測定されたジオイド高をGPS/水準ジオイド高という.この方法は,測定点でのジオイド高を正確に知ることができるが,測定を行っていない場所ではジオイド高が分からない.
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