いま、測地学が生まれ変わる!
測地学は、4,000有余年の歴史を有する伝統ある学問です。測地学は、いま、宇宙開発の進展や新技術の導入等によって、より魅力的でモダンな測地学として生まれ変わっています。地球上でのポジショニングと外部ポテンシャルの精細な研究の蓄積をもとに、地殻変動の機構とその精密な監視に関する研究、地球温暖化に伴う海面変動の監視をはじめとする地球環境に関する研究、宇宙開発のための精密な座標系の設定と維持に関連する研究、惑星の形状とその重力場に関する研究など、新しいチャレンジングな研究課題があなたの挑戦を待っています。
測地学の研究分野
測地学の研究分野を、国際測地学協会(IAG)の分野に従って紹介します。
- 位置の決定
- 高精度の水平および垂直測地網、衛星および空間位置の決定、慣性測位、測地天文、海洋での測位、大気中における光屈折
- 高等宇宙技術
- 測地学に利用する宇宙技術の開発、たとえば、 衛星電波追跡技術、電波干渉技術、衛星および月レーザー測距、衛星高度測定、衛星間追跡、衛星による重力勾配測定、宇宙空間からの測地測定、軌道計算、宇宙技術で得られた直接的な測地成果、惑星および月の測地技術
- 重力場の決定
- 地球重力の絶対および相対測定、重力の非周期的変化、重力測定・重力勾配測定・測地天文・宇宙技術および慣性技術による地球の外部重力場およびジオイドの決定、重力場に関する量の整約および予報
- 一般理論と方法論
- 測地学のための一般数学モデル、統計解析および数値解析、データ解析およびデータ処理、最適化法、最小2乗法、重力場の微積分理論、重力場の積算・近似および表現理論
- 地球動力学
- 基準系、時間に依存する現象の監視および研究、たとえば、 極運動、地球回転、地球潮汐、地殻変動、重力変化、平均海面を含む海面形状、国際地球動力学計画の測地学的側面、重力およびその周辺データの地球物理学的解釈
このように、測地学には、多くのチャレンジングな課題がいっぱいです。
日本測地学会の活動
日本測地学会は、上に示したような測地学およびその関連分野の研究の発展を図るため、次のような活動を行なっています。
- 年2回の講演会の開催
- わが国唯一の測地学専門雑誌である「測地学会誌」の刊行
- 若手研究者の奨励のための日本測地学会賞坪井賞の授与
- 最新の測地学の成果を一般の人たちに知らせるための公開講座の開催
- 測地学に興味を持つ学生のためのサマースクールの開催
また、関連する学会と連携して、シンポジウムや合同講演会の開催等も行っています。
日本測地学会の会員
日本測地学会の会員になると、次のような特典が得られます。
- 日本測地学会講演会において講演することができます。
- 「測地学会誌」が送付されます。「測地学会誌」は、書店ではお求めになれません。
- 「測地学会誌」に論文を投稿する場合のページ・チャージが免除されます(制限を超えた長文のものは除きます)。
日本測地学会の会費は、次のようになります。
- 普通会員(一般)年額 8,000円
- 普通会員(学生)年額 4,000円
- 賛助会員 年額 一口(2万円)以上
入会金はありません。入会希望の方は、入退会申込書に必要事項を記入の上、日本測地学会事務局まで郵送あるいは電子メールにてお送りください。