四国西部で検出された,微動活動とスロースリップが同期して発生する現象は,北米大陸西岸のカスカディア沈み込み帯でも観測されている(Rogers and Dragert, 2003).両地域に共通しているのは,比較的若いプレートが沈み込む場であるということと,プレート境界浅部ではマグニチュード8を越える巨大地震が繰り返し発生しているということである.これらの共通点は,まだよく解明されていない深部低周波微動やスロースリップイベントの発生メカニズムを探るうえで重要な鍵となるであろう.また,両地域に共通するテクトニクスや,この現象の共通する特徴を調べていくこと,さらにこれらの現象が観測されていない地域との比較をすることも,沈み込み帯で今まさに進行している物理化学的プロセスを明らかにするために,有用な情報を提供するであろう.
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関連Webサイト
Natural Resources Canadaのホームページ内「カスカディア沈み込み帯」の紹介ページ(英語)
参考文献
Rogers, G., and Dragert, H.(2003):Episodic tremor and slip on the Cascadia subduction zone:the chatter of silent slip, Science, 300, 1942-1943.
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